欧州かわら版

欧州かわら版
2017/07/05

2017年上半期にあった欧州内の選挙について振り返りました。

欧州選挙の年

欧州では、3月のオランダ下院選を皮切りに、4-5月にフランス大統領選、6月にフランス国民議会選挙、さらには同じく6月に予定外の英国総選挙まで行なわれ、2017年上半期は、まさに「欧州選挙の年」となりました。欧州連合(EU)の政策に異議を唱えるEU懐疑政党が支持を伸ばしていたため、これらの選挙は、金融市場のリスク要因として注目されていましたが、選挙を終えてこうしたリスクは和らいでいます。

2017年上半期の 欧州の主な選挙
3月15日 オランダ下院選
4月23日、5月7日 フランス大統領選
6月8日 英国総選挙
6月11日、18日 フランス国民議会選

オランダ ~ポピュリズムの波を止める~

反イスラムでEU懐疑政党である自由党は、選挙戦終盤に失速し、議席を増やしたものの第一党には届かず、政権入りは難しくなりました。議席の獲得数をみると、連立与党の自由民主国民党と労働党が議席を減らした一方で、右派、左派政党ともに議席を増やしており、既存政治に対する不満が表れた結果ともいえますが、欧州におけるポピュリズムの波は、まずはオランダで阻止されるかたちとなりました。

フランス ~親EUのマクロン/共和国前進圧勝~

大統領選挙では、無所属で親EUを掲げたマクロン氏が、EU反対勢力で国民戦線のルペン氏を破り圧勝、欧州におけるポピュリストの後退を確実なものにしまた。6月の国民議会選でもマクロン大統領の新党「共和国前進」が議席の過半数を獲得しました。左派、右派の二大政党が大幅に議席を減らし、中道の共和国前進と民主運動が議席を増やしたことは、有権者が分断より融和を進めることを選び、主要な改革が迅速に進むことを望んでいることの表れといえそうです。

英国 ~EUからの強行離脱シナリオに暗雲~

一方、昨年、ポピュリズムの台頭によりEU離脱を決めた英国では、保守党圧勝との当初の予想を覆し、左派色が強い労働党が議席を伸ばしました。これにより、メイ首相の求心力低下は避けられず、EUからの「強硬離脱」方針を穏健な方向に軌道修正すべきだとの声が高まるなど、EU離脱に対する楽観論は後退しました。

オランダ、フランスの選挙結果は、英国EU離脱やトランプ米大統領を生んだポピュリズの波を押しとどめ、「EU離脱ドミノ」など欧州に広がる政治リスクを後退させました。9月には独連邦議会総選挙がありますが、これまで行なわれた選挙の結果はメルケル政権の追い風になると予想されています。
ユーロ圏では堅調な個人消費に輸出の回復が加わり、景気回復が続いています。今年のイベントリスクをほぼ通過した今、欧州金融市場に投資家の注目が集まりそうです。